幻の処女作。 
 
アジアン・ジャパニーズ』の旅の“前夜”を写した一冊だけの写真集。 
                    泡沫の時代のなかで、仕事にも恋にももがいていた「青春の記録」。 「あれから十五年がたった。そのあいだほとんど誰かにも見せたこともなく、それでも時々、一年に一度とか二年に一度、引っ張り出してひとりで見ることがあった。そのたびにあの頃の『何か』がよみがえってくるのだった。『何か』はその時々によって違っていた。 
                       いまではそのネガも散り散りとなった。多くはどこかにまぎれて、結局捨てたのだと思う。わからなくなってしまった。だから、もう一冊同じものを作ることも、新たにプリントすることもできない。かっこよく言えば幻の一冊ということになるのだろう。」                     ――〈あとがき〉より 
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