蒸気は湯気なり。されば、其の性質も、働きも、早くより、心づかれたりし筈なれども、其の、深く取り調べられて、利用の方法の工夫せられしは割合に近世の事なり。 ――「蒸気機関の発明」より
明治33年に、坪内逍遥が本名の坪内雄蔵の名で著作、編集したやさしい文語体の高等小学校用教科書。科学から哲学、人情話にまで及ぶクロスオーバーの心踊る不思議な日本語世界。