氷
タイトル

著者 アンナ・カヴァン
山田和子訳

定価 1,800円(本体価格)+税

ISBN 978-4-86238-100-2

発売日 2008/6/4

内容 異常な寒波のなか、夜道に迷いながら私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気象変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて少女は姿を消し、私はその行方を必死に探し求める。軍事独裁下の某国に彼女がいることを突きとめ、要塞のような〈高い館〉へ乗り込んだ私は、強大な力で少女を支配する長官と対峙するが……。

「サンリオSF文庫」で、最も復刊が求められていた伝説の名作が、全面改訳で遂に登場!
刻々と迫り来る氷の壁、地上に蔓延する抗争と殺戮、絶望的な逃避行。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで読者を魅了し、世界中に冷たい熱狂を引き起したSFの伝説的名作。

『氷』 は唯一無二の作品だ。その魔法の力によって、『氷』 は唯物論的なサイエンスファンタジーの視界を超えた領域に到達している。――ブライアン・W・オールディス

著者プロフィール ■アンナ・カヴァン(Anna Kavan)
1901年、フランスで裕福なイギリス人の家庭に生まれる。本名ヘレン・ウッズ。子供時代をヨーロッパ諸国を転々として過ごし、イギリスで学業を終える。結婚後はビルマ(現ミャンマー)に滞在、小説を書き始めるが、結婚生活はまもなく破綻。やがて精神状態が悪化し、ヘロイン中毒となる。『アサイラム・ピース』(40)からアンナ・カヴァンと改名、カフカ的な不安と幻想に満ちた作品を発表。世界の終末を描いた長篇『氷』(67)で読書界に衝撃を与えるが、翌1968年に急死。ベッドの傍らにはヘロインの注射器が置かれていたという。




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