「邪悪なもの」と遭遇したとき、人間はどうふるまうべきか?
「どうしていいかわからないけれど、何かしないとたいへんなことになる」極限的な
状況で、適切に対処できる知見とはどのようなものか?
この難問に、ウチダ先生がきっぱりお答えします。
村上春樹『1Q84』の物語構造、コピーキャット型犯罪が内包する恐るべき罠、
ミラーニューロンと幽体離脱、被害者の呪い、霊的体験とのつきあい方から、
草食系男子の問題にいたるまで、「本当ですか!?」と叫びたくなる
驚愕の読書体験の連続。不透明な時代を生き延びるための「裏版テキスト」。
【まえがきより】
「邪悪なもの」をめぐる物語は古来無数に存在します。そのどれもが
「どうしていいかわからないときに、正しい選択をした」主人公が生き延びた話です。
主人公はどうして生き延びることができたのでしょう? 私自身のみつけた答えは
「ディセンシー」(礼儀正しさ)と、「身体感度の高さ」と、「オープンマインド」
ということでした。どうしてそういうことになるのか。それについては本文をお読みください。
第一章 物語のほうへ──邪悪なもののコスモロジー
第二章 邪悪なものの鎮め方──呪いと言祝ぎ
第三章 正気と狂気のあいだ──霊的感受性の復権
第四章 まず隗より始めよ──遂行的予言集
第五章 愛神愛隣──共生の時代に向かって |